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2023年3月5日日曜日

趣味のブロッホ球マスコットを振り返る

 これはもう趣味の工作にすぎません。量子コンピューティングを学ぶ上で、量子状態ベクトルをイメージできるマスコットが欲しい、ということでブロッホ球モデルを作ってきました。これまでにも、このブログの記事に何度か出現しましたが、改めて振り返ります。以下の、初期バージョン(a)から出発して、最新バージョン(d)に至りました!

 そもそもなぜ、ブロッホ球を手作りしたいの?例えば、IBM Quantum Labを使えばPythonプログラムで自由に、以下のように綺麗に描けるじゃないですか。あるいは、Qni量子回路シミュレータも使えますよ。
 でも違うんですね。以下のように物理的なものを手作りして手に持って眺めてながら量子ビットを思うと、これがとてもいいんです。最初のバージョン(a)は、ピンポン球に北極と任意の量子状態ベクトル(のつもり)を描いただけの単純なものでした。ちょっと(かなり)物足りないですね。
 ということで、バージョン(b)では、いきなり大幅バージョンアップしました。まず、右型のブロッホ球では、透明プラスチック球の中に、位相Φと確率振幅θ付きの量子ベクトル|ψ>を示す1/4円板を組み込みました。さらに、左側のブロッホ球には、アダマール変換で北極が赤道へ行く円板を内部に取り付けました。
 これでいいかなあ、と思ったのですが、2つのブロッホ球じゃなく、一つのブロッホ球にした方がいいだろう、と思ってバージョン(c)を作りました。ちょっと見えにくいのですが、球面に3つのアダマール変換のパスを描くのに少し手こずりましたが、昔使っていた製図用のディバイダーが役立ちました。北極→x軸正方向の赤道点、南極→x軸負方向の赤道点、y軸正方向の赤道点→y軸負方向の赤道点への3つの円を球面に描きました。
 最後にバージョン(d)です。ちょうど良いサイズのフイギュア・ディスプレイケースをAmazonnで見つけて購入。これに格納してみると、なんだか記念碑的ブロッホ球となりました!

2022年8月25日木曜日

もう一つブロッホ球の模型-Hadamardゲート

 すっかり趣味の世界に入ってしまったようだ。ゲート型量子コンピュータの勉強(理解)は、下図のイメージよりも少しは進んでいるのだが、基本的な事項の可視化にこだわる。

 下図の右側の小さな球体はすでに報告済みのものである。左側の大きな球体を今回、新たに作成した。アダマール(Hadamard)ゲートをイメージしたものだ。 単一量子ビットに対するXゲート、ZゲートなどはX軸、Z軸周りの180度回転なのでイメージできるが、アダマールのように、ブロッホ球を貫く斜め軸(斜め45度)周りの回転はちょっと分かりにくい。 
 そこで、図左側のように、球体内にアダマール用回転板を組み入れてみた。そうすると、例えば、北極にある量子ビットの確定値(|0>)は、アダマールゲートによりx軸上に、重ね合わせ状態(|0> + |1>)√2 に変換されることが手にとるように分かるのであった。この状態にさらにアダマールゲートを適用すれば、(|0>)という元の確定値に戻ることも納得できそうだ。

 念の為、アダマールゲートHを2回繰り返して適用した場合を計算してみよう。
  H(H|0>) = H((|0> + |1>) / √2)
    = (H|0> + H|1>) / √2
    = ((|0> + |1>) / √2 + (|0> - |1>) / √2)) /√2
    = (2 * |0> / √2) /√2
    = 2 * |0> /2
    = |0>
 このように、元の確定値(|0>)に戻ることが確認できた。|1>に対しても同様に、元の確定値(|1>)戻ることが分かる。

 ところで、このようなフィジカルな模型も捨てがたいのではあるが、PC画面によりビジュアルに示してくれるサイトも存在する。下図がその一例である。上図のHadamard円盤の縁に量子状態ベクトルの先端が並んでいる。まさに、

Visual interpretation, on the Bloch sphere, when Hadamard gate is applied twice!

https://physics.stackexchange.com/questions/313959/

2022年8月5日金曜日

量子ビットの重ね合わせ状態を表すマスコット(Version2)

 量子コンピュータの基本要素である量子ビットの重ね合わせ状態を把握するための簡単なマスコット(模型)を前回の記事で示した。それは下図1の左側のVersion1である。ピンポン玉と針金で作ったのだが、ちょっともの足りない。

 そこで、今回、Version2(図1の右側)を作成した。透明のプラスチック球を入手できたので、量子状態ベクトル|Ψ>を、重ね合わせ状態θと波の位相Φとによって、ブロッホ球に表示した。プラスチック球体内部に、θΦを表す半透明の1/4円板を取り付けたのがポイントである。
 これは、単一量子ビット場合ではあるが、このマスコットを手に取りながら、重ね合わせ状態をイメージしやすくなるので、ちょっとした前進と考えたい!

本当は量子ゲートの模型も作りたいのだが
 さて、量子回路で用いられる量子ゲートの基本的なものも、ブロッホ球面上で動作させてみたいところである。すなわち、Xゲート(ビットフリップ)、Zゲート(位相フリップ)、Hゲート(アダマールゲート)などである。それぞれ、X軸、Z軸、あるいは斜め45度軸を中心に、量子状態ベクトル|Ψ>を回転させる操作であるから、プラスチック球にそれぞれの軸を針金などで作り、それを指で回転させればよい。その時、重ね合わせ状態θや波の位相Φの変化を観察できるはずだ。しかし、実際には手の込んだ工作が必要になりそうなので、躊躇している。多分、これ以上の人手工作はやめて、無料で使えるIBM Quantum実機(またはシミュレータ)の計算を洗練されたグラフィックスで表示してくれるWEBサービスを利用する方が現実的だろう。