2024年1月15日月曜日

量子フーリエ変換:QFT(|ψ⟩+|φ⟩)=QFT|ψ⟩+QFT|φ⟩

 前報で、独自のモバイル量子回路シミュレータを用いて、3量子ビットシステムのbasis vector(|000⟩, |001⟩, |010⟩, ... ,|111⟩)それぞれに対して量子フーリエ変換QFTを行った。だが、QFTは、量子重ね合わせ(SuperPosition)に対して適用できる点に大きな特徴があるといえる。そこで、今回、私のシミュレータでのGUIを以下の図に見られるように若干変更して、これを実験してみた。以下の図から、実用上非常に重要なQFTの線形性を確認でき、位相の波の干渉による増幅/減衰(高め合い/弱め合い)の状況が分かる。

QFT(|000⟩+|001⟩)=QFT|000⟩+QFT|001⟩
 前回までにQFTを見てきたので、あまり説明は必要ないと思われる。Fig.1に、2
つの状態の重ね合わせ |000⟩+|001⟩ に対するQFTの結果を示した。
 (a)はQFT|000⟩、(b)はQFT|001⟩であり、(c)は両者の加算となっている。同じ位相の場合は確率(塗りつぶした赤い円の面積)が倍増しており、位相が180度逆転している場合は確率がゼロとなっていることが分かる。

QFT(|000⟩+|100⟩)=QFT|000⟩+QFT|100⟩
 もう一例見てみよう。Fig.2は、2つの状態の重ね合わせ |000⟩+|100⟩ に対するQFTの結果を示した。
 (d)はQFT|000⟩、(e)はQFT|100⟩であり、(c)は両者の加算となっている。今度は、|100⟩の位相が、(d)と(e)で完全に逆転しているので、(f)にてその確率はゼロとなる。赤い円の塗り潰しは無くなった。そして、その前後で、両者の位相が次第に近づくに従って、位相が揃ってきて増幅され、確率が増加する(赤い円の塗り潰しが大きくなる)ことが分かる。緩やかな波が見えてくる!

 最後に、逆量子フーリエ変換IQFTによって、この位相の波から、元の入力量子状態(すなわち、重ね合わせ状態)が復元される様子をFig.3に示す。

0 件のコメント:

コメントを投稿