2025年7月4日金曜日

IBM Quantum Composer - 惜しまれてsunset

【要旨】量子コンピューティング教育上の優れたプラットフォームIBM Quantum Classic Platformが、2025年7月1日をもって終了(sunset)となった。数ヶ月前から予告があり、完全に new platformへ移行した。小生も準備済みだったので特に問題はないのだが、こんな素晴らしい開発環境、特にその中のComposer(作曲家)という機能を惜しんで、以下に記録しておきたい。

🟢IBM Quantum Platformからの通知(2025-07-01)
 下図の通りである。量子コンピュータハードウェア開発競争の激化が背後にあるようだ。初心者向けの環境から、よりプロフェッショナルな利用のサポートにシフトしたように思われる。ともかく、このPlatformでのOpen Plan(無償)はもはや使えないことが分かる。私は、2年間ほど愛用してきた。図にある通り、これまでに865件のジョブを投入した。小さな量子回路ばかりではあったが、その利用経験から得られた知見は、現在とても役立っている!!!
IBM Quantum Classic Platformのサービス終了

🟢量子コンピューティングの全ての操作を一括提供のComposer
 このClassic Platformにおいて、特に使いやすく有用であったComposer機能を振り返り、記憶に留めたい。ログインすると、その場で、以下の項目を一気に実施することができたのである!

(1)ビジュアルに量子回路を編集し、シミュレートする
(2)その量子回路の状態の表示(Q-Sphere、Probability、StateVector)
(3)OpenQSAM(手動量子回路編集)との連携
(4)IBM Quantumマシン実機での実行と結果の取得

量子回路の編集と量子状態表示(Q-Sphere, Probability, StateVector)
OpenQASM(右側)との連携

🟢新しいプラットフォーム(IBM Quantum New Platform)
 新しいプラットフォームでは、上記の様なWebサービスは終了となった。それらと同等のことは、各自がローカルにQiskit環境を設定して行うことになった。しかし、(詳細は略すが)新しい様々な機能が新たに使えるようになった。特に、これまでOpen Planでは使えなかった新鋭の実機 ibm_torino(Heronプロセッサ)が利用可能となったことは大きい!

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