2024年3月13日水曜日

Qiskit API for IBM Quantumが変更になった!

 数週間までまで正常に動いていた、Qiskitコードが、2024-03-10現在、突然エラーが出て動かなくなった。これはどうしたことか。Qiskitドキュメントを調べると、Qiskit 1.0.1になって、かなりの変更があったことが分かった。よくみると、migration guideもあるではないか。それに従って、以下のような点を修正する必要があった。

シミュレータを使う場合:以下のようにして解決
 qiskitからAer, executeなどをimportできなくなった。
 qiskit.tools.visualizationからplot_histogramなどがimportできなくなった。等々。
→別のライブラリから、QiskitRuntimeService等のimportが必要。

IBM Quantum実機を使う場合:以下のようにして解決
 Qiskitの素晴らしい点として、シミュレータibmq_qasm_simulatorで動かしていた量子回路はそのままIBM Quantum実機でも動くことであった。シミュレータの名前を単に、実機の名前、例えばibm_brisbane等に変更するだけであった。

 しかし、こちらも、突然動かなくなったのである。実機で動かす前に、まず、無償で利用できる実機を確認した。登録ユーザの地域で異なるのだろうが、私の場合、ibm_brisbane、ibm_osaka、ibm_kyotoの3つであったが、いずれも、127量子ビットを装備した新鋭機 Eagle r3である。素晴らしい!だが、早速実行させてみると、以下のエラーが発生。しかも、"CX (CNOT) is not supported"という信じ難いエラーメッセージが!

 最初は、戸惑ったのだが、すぐにピンと来ました。このCXやHなどという量子ゲートは数学モデルにすぎない。実機がそのまま実装している訳ではないということだろうと。案の定そのその通りでした。シミュレータで動かしていた時の量子回路をtranspileというツールで変換した後に実機で実行すると成功しました!
 これまでは、実機で使う場合にはシステムが自動transpileをやっていたが、それを止めたと言うことであろう。

 このような状況は、確実な量子コンピュータの進歩の一面と言えるだろう。今後の色々な量子コンピュータ実機はそれぞれ独自の命令セットを持つはずだ。だから、論理レベルと物理レベルを明確に分離しているのだ。従来のプログラミング言語のコンパイラみたいなものが必須になってくる。

Transpileが1分間でわかるビデオ解説
 以下のビデオはとても良いのではないか!最適化レベルもいくつかある!
How can I Transpile a Quantum Circuit? 1 Minute Qiskit
https://www.youtube.com/watch?v=8mrPNSctRIg


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