2019年10月25日金曜日

日本に強く関係する MIT App Inventorの出来事

 MIT App Inventorの登録ユーザ数が最近1,000万人に達した、とのニュース[1]がありました。もちろん、日本のユーザも多いのですが、あまり目立ちません。そんな中で、日本に関係するビックな出来事が2つあります。

 最初は、現在日本人でただ一人、"MIT Master Trainer in Educational Mobile Computing"の資格を有する石原正雄氏の国内での活動が、MIT App Inventorのオフィシャルブログ[2]で紹介されたことです。"App Inventor finally came to Tokyo!! First App Inventor workshop for educators in Tokyo, by Masao Ishihara"というタイトルです。石原氏が、日本において、App Inventorを使って、Computational Thinkingを指導する人のためのWorkshopを開催していること等が紹介されています。特に日本人の教育関係者にとってインパクトのある、朗報だと思います。


 2番目は、App Inventorの日本語化に関するものです。MITサーバでは、英語の他にスペイン語、ドイツ語など15ヶ国の言語のバージョンが使えますが、日本語はありません。高校生や大学生であれば、英語版でも特に支障はないと思いますが、小学生や中学生にとっては、やはり日本語版が必要のようです。それがあれば、日本でも子供の間で、もっとMIT App Inventorが使われるようになるでしょう。
 そんななかで、米国在住の16才の高校生である宮島健さん(Michael Ken Miyajima)らが日本語化プロジェクト[3]を立ち上げていて、すでに日本語版を独自サーバで公開していることがわかりました。Google アカウントがあれば、直ぐに誰でもそれを使えます。初心者向けのチュートリアルもあり、例題の作成手順は丁寧な日本語で解説されています。なかには、少し高度なアプリも扱っています。例えばそのうちの、「日本の郵便番号の検索アプリ」は、データベースSQLiteやzip圧縮ソフトの利用、extensionsの利用、テキスト処理とリスト処理などを含む本格的なものです。


 この日本語化により、欧米諸国のように日本国内でも、低学年の生徒に、App Inventorがさらに普及することが期待されます。低学年を含めた幅広いユーザ層が存在し、様々なアイディアのアプリが開発され、それらに関する情報交換がなされることは、大学等でのApp Inventorの高度な活用にとっても重要であると思います。

参考資料
[1] MIT App Inventor Reaches 10 Million Users, and Other Milestones
http://appinventor.mit.edu/blogs/evan/2019/10/07/mit-app-inventor-reaches-10-million-users
[2] App Inventor finally came to Tokyo!! First App Inventor workshop for educators in Tokyo
http://appinventor.mit.edu/blogs/karen/2019/10/10/tokyo-workshop
[3] MIT App Inventor 2 日本語化プロジェクト
https://appinventor.tmsoftwareinc.com





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