Q (Human): What is this?
A (Generative AI): The expression represents the superposition state after the application of the controlled-U operations, with the phase factor corresponding to the binary fraction of the phase ϕ. This is a crucial step in estimating the eigenvalue’s phase in the QPE algorithm.
量子位相推定アルゴリズムの前半の結果を、正規直交基底ベクトルに対するQFTの結果と比較する必要上、まず、QFTを復習する。これまでもQFTに関していくつか記事を書いてきたので、ここでは、今回必要な計算を中心に示したい。
下図は、正規直交基底ベクトル|j>に対するn-qubitのQFTの詳細計算である。式(4)から式(5)への変形はわかりにくいかもしれないが、式(5)から逆に展開してみれば式(4)になることが分かる。
ここからが本題である。位相推定とは、ユニタリ行列Uに対して、その固有状態|v>の位相を求める(推定する)ことである。それは、下図のような式で表せる。
いきなりだが、そのための量子回路図を以下に示す。上段のn-qubitが位相推定の計算用であり、下段に、|v>がユニタリ行列Uの固有状態として与えられる。固有状態から右へ引かれた直線は1本のように見えるが、実際は、行列Uへの入力量子ビット数がmだとするとm本存在する。Uの右肩に冪乗が書かれているが、その数だけ制御付き(黒点付き)Uの適用を右方向へ繰り返すことを意味する。後半のIQFTは(後述するが)、逆量子フーリエ変換である。最後にn-qubitを全て測定している。 この量子回路で量子位相推定できるのか?それに答えるには、以下に述べる通り、回路を右に進める各ステップで、量子ビットシステム全体の状態がどのように変化するのかを明らかにすれば良い。
上記回路図の各ステップでの状態を計算した結果を下図に示す。ここで最も重要なのは位相キックバック(Phase Kickback)である。これに関してはこちらの記事をご覧いただきたい。下図の中の赤字で示したeの冪乗は位相キックバックの効果そのものである。制御付きUが繰り返される度に、|1>の位相にその効果が累積されることが分かる。 さて、上記の計算を、上位n-qubitのそれぞれを使って明示するには下図のようにする。そのため、量子フーリエ変換のところで示したのと同様に、2進の少数を使っている。
これら2つの図と、最初に述べた量子フーリエ変換の結果と比べて見ると、全く同一であることが分かる!すなわち、ここまでに述べた量子位相推定のための計算は、QFT計算と同じである。従って、次に、逆量子フーリエ変換IQFTを施せば、正規直交基底ベクトルが得られるはずである。実際には、n-qubitを全て測定して、高い確率で得られた量子ビットの組み合わせから、最終的に求める固有位相を推定(確率的に判断)できる。以下のとおりである。
具体的な位相推定の計算例は、こちらの記事で示す。
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