2024年5月27日月曜日

量子ビットの位相の波の生成とその表示

【要旨】量子ビットの状態ベクトルの確率振幅は、確率と位相を含む。それぞれ独立したプロパティである。その両方をビジュアル化するにはいくつか方法がある。IBM QuantumのComposerでは、確率を棒グラフで、位相をカラーマップで示している。一方、小生が開発したモバイル量子回路シミュレータでは(他の多くのシミュレータに習って)確率は塗りつぶし円の面積で、位相は直線の傾きで表示している。どちらが使いやすいかは人それぞれだが、以下に比較のために図を載せた。(続編は→こちら

🔴位相回転角の計算式

🔴位相の波のビジュアル化
  Fig.1は、3-qubitの場合の、周波数=1の位相の波の生成である。全てのqubitにアダマール変換Hを施した後、上のqubitから順にそれぞれの位相(|0>に対する|1> の相対位相)を、45°、90°、180°に設定している。位相ゲートφを使っても良いのだが、ここでは、TゲートとSゲートを利用している。

 一方、Fig.2は、周波数=2の位相の波の生成である。アダマール変換後、今度は、上のqubitから順にそれぞれの位相を、90°、180°に設定している。最後のqubitの位相は360°なので何も設定していない。

 最初に見た時は、カラーマップにちょっと戸惑ったが、目が慣れてくると、位相の波の周期が識別しやすくなってきた。(a)、(b)どちらが使いやすいかは状況次第かもしれない。

🔴Composerのカスタムゲートを利用
  もう少し量子ビットを増やした場合も見てみる。Fig.3は、6-qubitの場合であるが、ここでは、Custum gate機能を使ってみた。Composerのビジュアル操作と連動するQASMのコードも表示される。場合によっては、QASMコードを編集する方が効率的かも知れない。ただし、QASMではラムダ式(ラムダ関数)がサポートされていないので、ちょっと使いにくかもしれないが。FIg.4には、このカスタムゲートのパラメータ(引数)を変えることで、周波数を変更させた結果を示す。あまり意味はないかもしれないが、単純に美しい。

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