2022年7月16日土曜日

量子コンピューティング国際会議Q2B22 Tokyo参加レポート(続)

 先のレポートの続編です。一晩明けて、印象に残った講演がまだいくつかあったことを思い出し、簡単にですが追加します。

--- Quantumの夢を最も語っていた講演!---
Quantum Transformation – The challenge of quantum application development from underground to outer space
地中から宇宙まで、量子で未来を創る挑戦:寺部雅能(住友商事株式会社 QXプロジェクト代表)
 DX(デジタルtransformation)ならぬQX(量子Transformation)を生き生きと語っていたこの講演も印象に残った。圧巻は、「ハノイ市北部スマートシティ開発に向けた日本コンソーシアム」である。住友商事が主体で日本企業数社が進めている、スマートで成長し続け都市の計画である。50年に渡り開発、成長し続けるわけだから、現状のコンピュータやデジタルを前提にすることはできない。量子コンピューティングを社会基盤とした計画を推進するのが自然の成り行きなのである。ああ、Quantum Smart City!
・DX→QX。量子コンピュータは世界を最適化できるか
・Quantum Transformation
・ハノイ市北部スマートシティ開発に向けた日本コンソーシアムの発足について

--- IBM Quantumも素晴らしいが、Amazonも凄い!---
Quantum Computing on AWS and Amazon Braket 
(AWSにおける量子コンピュータの取り組みと Amazon Braket):宇都宮聖子(アマゾン)
 量子コンピューティングサービスの大手として、IBMも素晴らしいが、Amazonもなかなか凄い。AWSの量子コンピュータの取り組みとAmazon Braketについての、同社の宇都宮聖子氏の講演は迫力満点で、AWS Quantumの奥深さを余すところなく伝えていた。AWS独自のquantum processorも持っているが、Braketというフレームワークで、ゲート型のRigetti、IonQ、OQC等のマシンや、アニーリング型のD-Waveなどの量子コンピュータを使うための敷居をうんと下げている。極く最近だが、いわゆる「量子超越」を実現したとされるXanaduのGBSも、Braketから使えるようになったとのことで、これに強い関心を示すシニアエンジニアも多いようだ。また、量子機械学習ライブラリで有名なPennyLaneもBraketで使えることも強調していた。発展はまだまだこれから!
Amazon 宇都宮聖子氏の講演(左側に日本語、右側に英語を投影)
・サービスアップデート Quantum 編:Amazon Braketの基礎
・Amazon BraketでPennyLane を使用する

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