2022年11月6日日曜日

Amazon AlexaとMIT App Inventorのコラボ

【要旨】自然言語による応答システムとして、SiriやGoogleアシスタントなどを多くの人が利用しています。しかし、それらを組み込んで自分に必要な応答システムを自作するのは敷居が高いと言えるでしょう。今回、Amazonが10年間に渡って培ったAIによる自然言語処理AlexaとMIT App Inventorがコラボして、素晴らしいシステムをユーザに提供し始めました。まだ、全くの入り口に過ぎませんが、試用してみました。

Amazon AlexaとMIT App Inventorのコラボ
 下図のようなアナウンスがあり、いくつかのYoutube動画などでも紹介されています。これは初心者向けのチュートリアルですが、ビデオや資料を見ていると色々な魅力、可能性が感じられます。MITでは、自然言語でアプリの仕様を喋ることによって、現在のようなアプリ(処理ブロック)を自動生成するプロジェクトAptlyを進めています。今回のコラボは、Amazonの強力な自然言語処理を利用することで、Aptlyを推し進めることに繋がるのだと思います。(Aptlyについてはこちらで簡単に紹介しました。)

自然言語による自分なりの応答システムを作る道が拓けそう
 上記の情報をもとにして、簡単な自然言語による応答をテストしてみました。スマホ(AndroidまたはiPhone)とAlexaをCloud DBで連携させるものです。Alexaのデバイスを持っていれば良いのですが、それがなくても、PC上のエミュレータを使うことができます。また、Amazonの通常のアカウントの元で、「Developer ID」を取得しておく必要があります。上記URLの説明には、"no Amazon device or account required."と書いてあるのですが、"no account"は、教室の場合は先生だけがaccountを持っていれば良い、ということのようです。

 この簡単な例では、スマホからメッセージをCloudDBへ格納し、それをAlexa側から"get my message"や"what is my message"のように発話をすることで取り出しています。また、逆に"send the message"や"post the message"などと発話してCloudDBへ送り、スマホ側でそれを取り出します。ユーザは、"get ..."や"what is ..."などをIntentに登録できますが、必ずしもそのように発話しなくても、それらに近い言葉を使っても、AI自然言語処理が適宜判断できます。

 これは簡単な例に過ぎませんが、それでも、自分なりの特色ある応答システムを作れそうな気になりませんか?しかもそれを、これまで通り、MIT App Inventorの環境のままで実現できそうなところが素晴らしいです。今までは作れそうもないと思っていた人にとっても、新しい世界が拓けるように思います。
(追記)
 AmazonのAlexaは本来、日本語もできるのですが、このコラボに関しては日本語による命令は(現時点では多分)できないようです。ただし、メッセージの内容そのものは日本語でもOKであり、日本語のText-to-Speech、Speech-to-Text、CloudDBへの格納検索はもちろんできます。

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